破産申し立ての公告とは?
そもそもあの事件の発端になった名前と破産者の住所を官報などに載せる必要があるのか?載せなければいいのではが焦点ですね。
破産手続による官報公告は、破産法10条を根拠とあり、「官報に掲載する」という方法もこの規定によって定められています。
破産法10条(公告等)
1 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。
2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。
4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。
5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。
破産手続は、破産者が負っているすべての負債を対象に手続が行われる必要があります。よって、
破産手続の利害関係者がかなりの多くなってしまうケースも多いのです。
破産者からの申告にり既に告知している債権者に対しては裁判所から直接通知することが出来ますが、漏れがあった場合にも対応が必要になります。
そこで、官報に掲載することで「全国に告知したことにする」というのが官報公告というわけです。
よりまして、官報公告はあくまでも「債権者が破産手続に関与するための機会」を素早くかつ経済的に担保するための仕組みであって、
個人が破産したことを「見せしめ」のような形で広く知らしめることを目的としているのではありません。
裁判所で行われる債務整理の手続(すべての債権者を対象に行われる債務整理)である民事再生、個人再生の手続きにおきましても、破産の場合と同じ理由で官報による公告制度を利用しています。
個人の見解ですが、個人ベースの自己破産では、債権者多数の事案は少なく、数社程度ということも多くあります。
ですから破産法を個人の破産に限定しては、官報で告知せずに免責することを認めれば良いのです。
意図的に債権者を少なくして(個人で貸し借りしている部分は、隠しておく等)破産申請すると、厳しく詐欺破産として立件するとするなど、
また、申立後に追加で債権者を載せる場合には、「それは出来ない」と拒否する等、
厳しく制度を厳格に保つ運用をすればよいのです。
現時点で法務省及び個人情報保護法を管轄する役所に問い合わせ中です。
仕方なく自己破産を選択した、これからしなければ生計が立てられない人には、自己破産制度は非常に有益な制度であり、これが無ければ生活再生は非常に厳しいと言えます。
自己破産を選択される方は以下のような方
①ほとんど取引履歴も短く最近(1~2年)、で債務が膨れ上がったケース。収入が極めて少ない、月12万~15万程度の収入しかない。
このように、自己破産は、経済的に社会的弱者の方々に対し、救済する制度です。
破産をしなければ再生出来ない債務整理案件が事実上破産を利用できずにいると、社会全体として経済的再生を促す必要があるのにそれが機能しないということは最も避けなければいけないです。
すべての国民が安心して、破産制度を利用出来得るようにしましょう。
姫路の司法書士 松元司法書士をよろしくお願いいたします。
21.12.30